分かったつもりの備忘録

文字数しばりのない外界へ飛び出しました。▼お叱りお褒め甘やかしはこちらまで gotchagotcha.info@gmail.com

会いたくて会いたくても震えなくてわかったこと

5万円は、大きい。 

 けいけんちって たいせつな がいねんですね。

 

今年の目標は街クリに連載を持つこと、26歳がちゃぴんです。「ゴールセッティングを怠るな」「意識は高く」と教わり続ける社会で24時間戦うリゲインライフなため、この目標を揺るがさずに今年1年精進いたします。

 

世間は節分からバレンタイン。皆さま、豆撒きはしましたか?チョコは買いましたか?

なお我が家には、非情にも突如我が家を襲う赤鬼(当時アラサー、装備:お面)に対して幼いわたし(当時3歳、装備:豆)が

「…お父さん、おにのマネしてどうするの?」

「お父さん、靴下見えてる。」

と大豆片手に淡々と語るホームビデオが残っています。

我ながらその姿勢はどうかと思うよ。

 

ただ、一応その後には追いかけられて焦りだし、眠る1歳の弟をベビーベッドから降ろして助けようとするも身長が足りないという(物理的にも)超えられない大きな壁にぶつかり木の柵越しに「目を覚まして!このままじゃ危ないの!」と伝えるも鬼の狙いは自分だと悟り玄関へ向けて走り出す、というハートフルアドベンチャーフィルム仕上げとなっております。

お父さん、今年もチョコあげるハートフルで健気な娘に育ってるから許してね。ハートフルで健気な娘に育ってるから。

余談ながらわたしは父に宛ててカファレルのチョコレートを買うのが好きです。わたしがこのチョコ好きだから。あとはお察しください。今年の目玉はルパンコラボだよ!

 

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(引用:チョコレートのカファレル 公式通販ショップ ルパン三世×caffarel コラボチョコレート )

 

さて、年が明けて以降、本当にさまざまなトピックが紙面に躍りました。

さまざまなトピックに関して、錯綜する情報に躍らされました。

SMAPファン、通称スマヲタのわたしは「躍りなど…しない!」と思いながらTwitterしてたらバズって小躍りしました。ありがとうございました。

 

 

おそらく、多くの皆さまはSMAP」という単語に対してもうメガ盛りカツ丼の後半なレベルに食傷気味なのではないかなとも思っています。

しかし「スマヲタ」としては、正直なところ、この数週間、何を書いても気が付けばその件に関して言及したくなってしまう衝動に駆られてしまっておりました。

(引用: www.youtube.com )

もう完全に、

真実ばかり追いかけて揺れ動くeveryday。

(解散なんてきっと無いよと)強がる自分の中身もまるっきりなぞだらけ

(でもSMAPの)はがねのような絆だけが

(ファンの)凹んでく心を

中居くんも言ったように)踏ん張らせる

僕にも何かを変えられる(と思いCD購買しつつの)

衝動!

 

…これ、稲葉さんこそタイムリープして友人木村拓哉を救ったんじゃない?

 

以上、本記事のハイライトでした。前回でいうところの、「まさにホウキ。」の部分です。

メリダとおそろしの森」でうまいこと言えるんじゃないかと考えたものの諦めた話はまたいつか飲みながら管を巻かせてください。

 

ところで、冒頭にも書いた通りわたしは今26歳です。

SMAPで言うと、ちょうど中居くんと木村くんが「夜空ノムコウ」を歌っていた年齢です。ウワア、つらい。

 

夜空ノムコウは、わたしが「大人になって読み返すと心に刺さる過ぎる曲」としてよく挙げる曲です。

歌詞は、こちら。「知ってる知ってる~。超よゆ~。」と思う方も、23歳以上(社会人)の場合特に、一度読み直してみていただけませんか。

(引用:www.utamap.com )

  

今自分がついたため息が少しだけ白く残ってもう泣きそう。

 

良い歌詞、響く歌詞とはこういう作品なのかと、大人になって、心底思いました。

大人になって読み返し、聴き直し、この曲はなんて素晴らしいのかと真剣に思いました。

こんなに優しく鋭利に繊細に突き刺さる曲を携えて今「大人」を生きられることを、幸せに思います。

決してスガシカオさんに相互フォローしていただいているからこんなに盛大に褒め称え崇めている訳ではありません。

 

ミリオンセラーにもなったこの楽曲は、歌詞もメロディーも歌い手も受け手の心情もすべてが相俟って、「かたちになったひとつの奇跡」として生まれ今日も人々から愛され続けています。つまり、(複合的要因のひとつであるとしても、)そこには間違いなく一定数(それもかなりの数の)「良いこと歌ってるなあ」と多くのひとが思ったという事実があることでしょう。

ではその「評価される歌詞」とはどのようなものなのか。以前拝読したこちらの記事が本当に分かりやすかったので、紹介させていただきます。

 

なぜスピッツの歌詞は評価されて、西野カナの歌詞は酷評されるのか(前編) | 理論 | 街角のクリエイティブ

(引用: www.machikado-creative.jp ) 

 

わたしが連載を持つことを目標としていると話題の街クリですね。 

この記事での結論としては、「直接表現でなく、一度作詞家のフィルターを通し変形させた言葉だからこそ、受け手に想像の余地を持たせ詩表現として評価されるのだ」というところでしょうか。 違った場合、大変恐縮ですが何卒ご一報ください。それをきっかけにコネクションを狙います。

 

この記事を拝読し、ふと思ったことが、「じゃあなんで西野カナが売れるの?」ということ。

「なぜ酷評されるの?」ではなくて、「なぜ売れるの?」という点です。

「まだまだお子ちゃまなティーン層は想像力が貧弱だから」でしょうか。

「だから直接言ってくれなきゃわかんない!」でしょうか。

でも都合の良いときだけ「大人には分からない思春期の複雑な心情」なんて言葉で丸め込むじゃない!これだから大人ってヤツは!

 

じゃあなんで西野カナが売れるの?という部分、少しでも気持ちを近付けるためスタバでデカフェのラテ片手にインスタ更新しながらぼーっと考えてみました。そして考えた結果、非常に単純に、

「会いたくて会いたくて震えたことがあるから」

「ねぇDarlingどっちがいい?このスカートとワンピース、って聞いたことがあるから」

「勇気を出して明日キミにメールしようかな、って思ったことがあるから」

永久保証の私のトリセツを彼氏に渡したくなったことがあるから

こういうことなんじゃないかな、と思うんです。

その感情を、文字としてではなく経験として知っているから」ではないかなと。

言われてみればひどく当たり前の回答で、今ここまで長文を書いたことを不安にさえ思ってきました。

 

ただ、そんなときふと自分の体感として思い起こしたのが、「夜空ノムコウ」です。

この曲が発売された1998年、わたしは9歳でした。

当時もこの曲をよく口ずさんではいましたが、それは「売れてる曲で、なんか良いから」でした。歌詞の意味なんて、文字通りでしか捉えていませんでした。

何故ならそのころのわたしに、「あのころの未来」を思い返すほどの過去なんてありませんでした。それから幾年、「あのころの未来」を描いていた過去の経験を持ったわたしは、自分のその想いをこの曲に沿わせて聴いています。「あのころの未来」を経験として己の中に培えたからです。その結果、この曲に対する理解が大きく変わりました。

実際、「会いたくて会いたくて震える」に対しては「ウワア、わかんない。」と思っても、「勇気を出して明日君にメールしようかな」には「そんな時代もあったね…可愛い曲。」なんてちょっぴり思うんです。

 

とは言え、この「経験の不足」が、「想像できる幅の欠落」にも繋がると考えると、結局のところ「お子ちゃまにはまだ分からないのよ」に立ち戻るのかもしれません。

「まだ知らない」「でも分かりそう」「分かってるわよ」なんてのがまさに「思春期の複雑な心情」ってやつの正体なのかもしれません。だから、愛や恋だなんて複雑怪奇なものを端的でわかりやすく「知っている経験」に落とし込んでくれる西野カナの歌詞は「ほら、わたしにもわかるのよ」なんて複雑な感情を持つ「ティーンにウケる」のかも、しれません。

まあ知らんけど。

 

でもこの「経験の不足」って、歌詞に共感するそれだけでなくて、「物事を理解する」うえで大切になる部分だと思っています。

 

ちょうど8年前の今ごろ、わたしは受験生でした。

その時に滑り止めとして受験したとある私学の受験料は、センター併願も含めて一校で5万円弱。わたしの将来のためにそれを厭うという選択肢など初めから存在していなかった両親には、感謝しかありません。しかし、当時のわたしの中では「5万円」は「ごまんえん。高額。大切に使います。」という認識で止まっていました。記号通り、文字通り、「5万円」を認識していました。ベイマックスかよ。

その2年後、わたしは無事に大学2年生でした。滑り止めに受けた大学には行きませんでした。高校では禁止されていたアルバイトも始め、それなりに順調にオレンジデイズを送っていました。すみません盛りました。オレンジデイズは送れなかった。送りたかった。

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(引用:オレンジデイズ|ドラマ・時代劇|TBS CS[TBSチャンネル] )

 

その冬に迎えた、弟の受験。勿論、一校を受験するにあたり同程度の受験料が発生します。そこでわたしが思ったことは、

5万円もするのか。めっちゃ高いやん。なにこれ。めっちゃ高いやん。

 

18歳までお年玉でしか手にしたことのなかった5万円は、「大人が働いてくれた、大切で高額なお金」という抽象的でモヤっとした想像に支えられるのみでした。

それが大学生になり、アルバイトを始めたわたしにとって、「大学2年生が稼ぎ出すには平日にフルで5日連続で働いても手に入らないし春休みに旅行いってもおつりが来る金額」に変わっていました。想像が経験に変わり、ひとつの物事に対する理解が大きく変わっていました。

夜空ノムコウは、「想像の範囲を超えなかったもの」から「経験として知ったもの」になり、大きく見え方が変わって「言葉に気持ちを沿わせる」ことができるようになりました。きっとわたしが「会いたくて会いたくても震えないのは、会いたくて会いたくても震えたことがないから」であり、「5万円をベイマックスで止めてしまったのは、5万円を稼ぎ出したことがなかったから」ではないかなと、改めて考えハッとします。

会いたくて会いたくても震えなかった件について考えてみたことで、「5万円は大きい」という理解は「経験からきた」と気付けた、そんなお話でした。

 

何ならついでに、妙齢の女子なのに西野カナをほぼほぼ理解できないうことはつまり恋愛経験値が不足しているということがわかりました。

 

 

素晴らしい皆さんなら、あとはお察しくださると思います。

2/14、チョコレートを渡せるような男性をお待ちしております。